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2018年上半期のマンション市場を振り返る

公開日:2018年9月11日

供給戸数は、5.3%増加 価格は、1.9%上昇の5,962万円

台風接近と猛暑の続いた2018年夏ですが、間もなくマンションの秋商戦がスタートします。これからのマンション購入に、マーケットの把握は欠かせないもの。2018年上半期の首都圏マンション市場を振り返ってみたいと思います。

東京都心の風景 2020年に向けて開発が進む
東京都心の風景 2020年に向けて開発が進む

不動産経済研究所発表の2018年上半期の首都圏マンション市場動向によれば、2018年上半期の供給戸数は、前年同期比5.3%増の1万5,504戸と2年連続増加しています。価格は、前年同期比で1.9%上昇の5,962万円と上昇傾向が続いています。首都圏のエリア別の供給動向を見ると、東京都区部が2.1%増加、東京都下が24.1%減少、神奈川県が6.2%増加、埼玉県が17.0%増加、千葉県が55.7%増加となっており埼玉県、千葉県の供給戸数が二桁を超える伸びになっています。

また価格動向は、東京都区部平均価格7,059万円、平米単価110万円(1.4%減少、2.6%上昇)、東京都下平均価格5,246万円、平米単価74.4万円(3.2%上昇、4.3%上昇)、神奈川県平均価格5,665万円、平米単価79.2万円(13.7%上昇、13.6%上昇)、埼玉県平均価格4,286万円、平米単価61.2万円(1.5%下落、0.3%上昇)、千葉県平均価格4,497万円、平米単価60.8万円(12.6%上昇、9.7%上昇)で平米当たりの単価は全てのエリアで上昇しています。昨年の同時期に比べると上昇ペースは鈍化しているものの依然として価格上昇が続いていることを示しています。

また、初月契約率の平均は、66.7%で前年同期の67.3%に比べてややダウンしています。エリア別では、都区部が70.3%、神奈川県が69.5%、千葉県が67.5%と堅調なのに対し、東京都下が60.1%、埼玉県が51.7%と苦戦しています。

次に中古マンション市場を見てみましょう。公益財団法人東日本不動産流通機構発表の2018年6月度の月例速報によれば、2018年6月度の首都圏中古マンション成約件数は、前年同月比0.5%ダウンの3,317件。成約価格は、前年同月比+5.0%の3,320万円、成約平米単価は、前年比+4.6%の51.90万円となっており上昇トレンドが続いています。

地域別の成約平米単価の伸びは、東京都区部が前年比で+6.8%、東京都多摩+3.7%、神奈川県+4.1%、埼玉県+10.0%、千葉県+3.4%と全般的に上昇が続いています。なお同機構発表の中古マンション・成約㎡単価と新規登録㎡単価の乖離のデータによれば成約・新規登録の乖離幅は小さくなってきており市場価格で中古マンションを購入しやすい環境になりつつあります。

新築マンションの売れ筋は「違い」が際立つマンション

マンション市場は価格の上昇が続く中で、新築・中古ともに販売ペースがやや鈍化しています。供給ラインナップが増える中で高価格帯のマンションは選別化が進んでいます。また、同じマンションでも価格の安い部屋に人気が集まるなど価格志向の傾向も一部では見られます。

みなとみらい21地区 10万人の就業エリアが住宅ニーズを生む
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こうした市場の中でも「違い」を感じる際立つ立地やプランニングのマンションは、好調です。例えば、2017年11月の販売開始から驚異的なペースで全戸が完売した「ザ・タワー 横浜北仲」(三井不動産レジデンシャル、丸紅 総戸数1176戸:事業協力者住戸50戸含む)は、「馬車道」駅直結、横浜市最高層58階建て、商業施設・ホテル・文化施設等からなる「ミクストユース」の街づくりが提案され、横浜エリアからだけでなく広範囲なエリアから注目を集め人気を博しました。

立地の稀少性を感じるマンションも好調です。都心エリアでは千代田線「赤坂」駅徒歩3分の全119邸、「ピアース赤坂」(モリモト)が3月の販売開始からわずか3カ月で完売。秋葉原の土地区画整理エリアがアプローチの「Brillia 秋葉原」(東京建物)も8月に完売しました。初月契約率の低調な埼玉県でも、埼玉高速鉄道「東川口」駅徒歩1分、全邸南東向き、スーパー近接の「デュオヒルズ東川口ザ・ファースト」(フージャース・コーポレーション 7月完売)のように希少立地で商品的な魅力のあるマンションも堅調です。価格が一段と上昇し竣工在庫も目立つようになった一方で、早期に完売するマンションもあり成熟した市場の中で納得できる住まいが見つけられれば購入したい人も多いということでしょう。

また、共働き層が検討しやすい大規模マンションも堅調です。湾岸エリアの大規模マンション、千葉エリアの免震タワーレジデンスなどが好調で供給物件数が限られる中で、共働き家族でも入居後の暮らしをイメージしやすいマンションは人気です。

今秋以降は、大規模な再開発タワーや1000戸超の大規模プロジェクトなど注目物件の供給が続きます。新築マンションの供給が活発化すれば、住み替え需要で中古流通も期待できます。これからマンションを購入する方は、「実りの秋」になるようにしっかり市場を見ることが大切だと思います。

岡本郁雄(おかもといくお)

著者プロフィール
 岡本郁雄(おかもといくお)

ファイナンシャルプランナーCFP®、中小企業診断士、宅地建物取引士。不動産領域のコンサルタントとして、マーケティング業務、コンサルティング業務、住まいの選び方などに関する講演や執筆、メディア出演など幅広く活躍中。延べ3000件超のマンションのモデルルームや現地を見学し、マンション市場の動向に詳しい。神戸大学工学部卒。岡山県倉敷市生まれ。

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出典元:マンションサプリ