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マンション購入の近道は、新築&中古で選択する

公開日:2018年8月21日

マンション

増える中古のストック数と低迷する新築の供給

マンション購入を検討する際に、新築・中古のどちらを選ぶか誰しも悩むところでしょう。新築マンション、中古マンションそれぞれメリットがあります。新築マンション中心に探している方も、中古マンション中心に探している方も新築・中古両方の市場を見ることをお薦めします。理由は、新築マンションの供給減少と中古マンションのストックの増加です。

全国分譲マンションストック戸数(出典:国土交通省 マンションに関する統計・データ等)
全国分譲マンションストック戸数(出典:国土交通省 マンションに関する統計・データ等)

中古マンションと新築マンションの価格はともに上昇トレンドが続いているので同予算で考えると選択肢がどんどん狭まってきています。新築・中古の両面で検討すればその分購入チャンスは増えるでしょう。とは言え、新築マンションと中古マンションの違いを理解しておくことは重要です。新築・中古の違いをいくつか挙げてみましょう。

・マンションの棟ごとに住戸が選びやすい新築。地域を絞っても物件数が選べる中古。
・建物・設備が新しく総じてスペックの高い新築。築年数が様々で個別性が強い中古。
・長期修繕計画があり保証も手厚い新築。マンションごとにメンテナンスが異なる中古。
中古マンションは、600万戸を超えるストックがあるので、マンションだけでなく住戸によっても個別性が強いのが実情です。

新築・中古の大きな違いは、価格 中古マンションは個別性が強い

新築マンションと中古マンションを購入する際の大きな違いとしてまず挙げられるのは、価格です。東日本不動産流通機構発表の2017年度の成約物件価格は首都圏平均で3,111万円です。一方で2017年度に供給された首都圏の新築分譲マンション価格の平均は、5,921万円で約1.9倍です。これだけ見ると随分開きがあるように感じますが、あくまでもこれは平均値。新築未入居のものもあれば、築年数が50年を超えるものもあります。築浅のマンションは、新築マンション価格同様の設定で売り出されていることも。東日本不動産流通機構発表の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2017年)」によれば、2017年に新規登録された築5年以内の物件のシェアは、全体の8.3%にすぎません。築6年~10年が13.5%。築11年~15年が13.2%。築15年未満の売出し割合は、35%です。一方で、築31年を超える新規登録が31.8%。築浅のマンションの中古流通は限られています。

中古マンション築年帯別構成比率(出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2017年)」)
中古マンション築年帯別構成比率(出典:東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2017年)」)

築年数によっては、建物の性能基準が大きく異なるため安いからお買い得というわけではありません。例えば耐震基準やスラブ厚などの構造は年代によっても異なります。耐震性が劣る可能性のある旧耐震基準で建てられたマンションストックは全国で約104万戸にも上ります。今のマンションと比較して構造などの性能乖離は大きくない築15年以内のマンションの流通価格が判れば相場を知る一つの目安になります。新築マンションの値頃感を知るには、同地域の新築マンションの分譲価格だけでなく中古マンションの流通相場を把握することが有効です。

新築と中古で異なる諸費用 リフォームの制約に注意

2つ目に中古マンションと新築マンションを比べる際に大きく異なるのが諸費用です。中でもリフォーム費用は内容によっては大きくなります。特にバスやキッチン・給湯器といった設備分は、相応の費用が掛かりますので築年数の古いマンションはリフォーム歴の確認が重要になります。ライフスタイルに合わせてリノヴェーションしたいという人は予算を把握したうえで検討しましょう。諸費用の部分で新築との違いが仲介手数料です。仲介手数料とは、売買契約が成立したときに不動産会社支払う手数料で宅地建物取引業法によって上限が定められており400万円以上の物件なら〔成約価格の3%+6万円〕(消費税別)となっています。

中古マンションのリフォームの際には制約がある点にも注意が必要です。例えば、億ションの中には、カーペットの床をフリーリングに変更することを管理規約で禁じているケースがあります。また、床の性能は上下階の遮音効果に影響するのでフローリングの性能に基準を設けているマンションも目立ちます。また、リビングや居室の窓やサッシは共用部分になるため勝手に取り換えはできません。マンションの住み心地にも影響するので、遮音性や断熱性に優れたサッシや窓が採用されていれば安心です。

生ごみを粉砕して流すキッチンのディスポーザーも浄化槽が必要になるため後付けできない設備です。断熱性の高い複層ガラスサッシやディスポーザーはこの15年ぐらいで普及した設備ですが新築マンションでも採用されていないケースもあります。こうした設備スペックの比較を中古マンションと新築マンションで比較してみるのも良いと思います。

新築と中古とで大きく異なる購入プロセス 中古は良きパートナー選びを

3つ目に新築マンションと中古マンションの大きな違いは、購入プロセスです。新築マンションの場合は、資料請求から事前案内会への参加、住戸の要望書の提出、ローンの事前審査、申し込みといった手順を経由し住戸の選択肢も多いので時間的な余裕があります。一方で、中古マンションを購入する場合は、同じマンションで複数の住戸が売り出されるケースは稀で、売り出し直後に申し込みが重なるケースも。候補物件を絞り込むなど事前の準備が必要です。適正な価格かどうかだけでなくマンションの管理状況など的確な判断も必要になるので、中古マンション探しの場合は、マンション市場や実務に精通している良きエージェント(仲介会社)を予めパートナーとして選んでおくことが大切です。

新築マンションと中古マンション、どちらがお買い得なのかは実際に具体的な物件で比較検討してみないとわかりません。地域ごとに新築・中古マンションの供給動向や流通動向も異なります。不動産に関わる情報量も増えていますから、新築・中古が影響しあいマーケットを形成するので、より納得感あるマンション購入を目指すなら両方の情報を入手することが大切でしょう。今のマーケットとであれば広域で探すなら新築、希望エリアと予算が決まっているなら中古の比重が高くなるでしょう。新築マンションと中古マンションの情報を入手しつつ、家族にフィットする住まいを選ぶのがマンション購入の近道だと思います。

岡本郁雄(おかもといくお)

著者プロフィール
 岡本郁雄(おかもといくお)

ファイナンシャルプランナーCFP®、中小企業診断士、宅地建物取引士。不動産領域のコンサルタントとして、マーケティング業務、コンサルティング業務、住まいの選び方などに関する講演や執筆、メディア出演など幅広く活躍中。延べ3000件超のマンションのモデルルームや現地を見学し、マンション市場の動向に詳しい。神戸大学工学部卒。岡山県倉敷市生まれ。

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出典元:マンションサプリ