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働く女性が増加!マンション選びはどう変わるのか?

公開日:2018年8月7日

-働く女性が増加 子育て層も近年顕著に

近年の社会構造変化として顕著なのが働く女性の増加です。総務省統計局発表の平成29年労働力調査年報によれば、2003年と2017年の30代女性の労働力率を比較すると30~34歳が60.3%→75.2% 35~39歳が63.1%→73.4%と女性の労働力率は高まってきています。同調査での1975年における30~34歳の労働力率は43.9%。当時は、結婚して子供が出来たら育児のために退職する女性が多かった時代でした。近年は、育児と就業の関係も変化しています。

総務省統計局 平成29年 労働力調査年報
総務省統計局 平成29年 労働力調査年報

総務省統計局発表の平成29年就業構造基本調査によれば、平成24年と平成29年の育児をしている女性の有業率を比べると25~29歳で47.4%→60.0%、30~34歳で51.2%→62.0%。保育施設不足が全国の都市部で課題になっていますが育児をしながら働く女性比率が高まっていることも要因です。こうした働く女性が増えるトレンドは、マンション選びにも変化をもたらしています。

総務省統計局 平成29年 就業構造基本調査
総務省統計局 平成29年 就業構造基本調査

―都心コンパクトや共働き夫婦の職住近接ニーズ強まる

まず挙げられるのが働く単身女性の住宅ニーズです。通勤利便性の高い立地における賃貸需要だけでなく2000年代に入ってからは単身層をターゲットにしたコンパクトマンションの供給も目立つようになり単身女性の購入も活発になりました。駅アクセスや通勤利便性の高い場所に専有面積を抑えた手の届きやすい価格帯のマンションを提案。賃貸ニーズも高い場所なら自宅用に購入したマンションを将来賃貸し家賃収入を得ることも可能。シリーズ化するディベロッパーも出てくるなど市場に定着してきています。

もう一つは、共働き夫婦向けの住宅ニーズです。サラリーマンの専業主婦層と異なり共働き夫婦であれば2人のワークプレイス(職場)へのアクセスを考える必要があり対象エリアが限られてきます。都心アクセスが良好な割に価格がリーズナブルだった東京湾岸エリアのマンションや渋谷・新宿・品川・東京といった様々な方面のアクセスに優れた武蔵小杉のマンションが人気を得たのもこうした背景があります。また、郊外エリアについても駅アクセスが重視される傾向がより強まりました。

武蔵小杉の街並み 平成30年7月撮影
武蔵小杉の街並み 平成30年7月撮影

国土交通省発表の平成27年大都市交通センサスによれば首都圏における男女別通勤距離は、男性が22.3㎞に対し女性は17.6㎞と短い。職住近接が実現可能で価格がリーズナブルだった湾岸エリアの大規模マンションが子育て共働き層にとって魅力的であるのは当然で大規模マンションが大量供給された港区の湾岸エリアでは、少子化と言われる今の時代にあって最大一学年7クラスの小学校も存在します。

―価格上昇で購入ハードルが上がる 親子近居という選択も

職住近接が実現できる湾岸エリアのマンションも近年の価格上昇によって一般ファミリー層では、手の届きにくい価格帯になりつつあります。そうした中で、注目されているのが親子近居という選択です。妻もしくは夫の両親の家の近くに居を構え子育てのサポートをしてもらう。3世代同居とは異なり、全面的にサポートするのではなく子供が病気になった際や急な用事のときに助けてもらい、親も子が近くにいれば安心でお互いにメリットがあります。住宅事情が大都市圏ほど逼迫していない地方都市には多い家族のカタチが首都圏などの都市部でも芽生えつつあります。

親子近居の実現方法として、①親の近くに子供が引っ越す②子の近くに親が引っ越す③親子が一緒に引っ越す、の3つのパターンが考えられます。
①のパターンでは、親が団地型のマンション居住であれば同じマンション内に購入することも考えられます。ニュータウンなど郊外のマンションなら中古価格もリーズナブルなので一定の広さでリフォームしても予算が抑えられます。
②のパターンは、子供が既に家を購入している場合に実現しやすいケースです。2人暮らしであれば、都市部近郊でも予算を抑えられます。自宅の買い替えによって資金を捻出したり、場合によっては借りて住むという選択肢もあります。
③のパターンは、大規模な新築マンションの同時購入で実現しやすいケースです。将来を見据えてより快適な居住環境が得られれば親子ともメリットがあります。同じマンション内なら家族も行き来しやすく3世代の交流もスムーズです。

働く女性の増加は、住まい選びに変化をもたらしています。一方で、既に生産年齢人口の減少で逼迫している労働市場を背景に、テレワークの導入やフレックス勤務など働き方が変わりつつあります。家族構成や職場環境、ライフプランも人それぞれ。そして住宅市場が成熟化する中で住まいの選択肢も豊富になっています。今を大切に家族を中心に考えた住まい選びがより重要になってくるのではないでしょうか。

岡本郁雄(おかもといくお)

著者プロフィール
 岡本郁雄(おかもといくお)

ファイナンシャルプランナーCFP®、中小企業診断士、宅地建物取引士。不動産領域のコンサルタントとして、マーケティング業務、コンサルティング業務、住まいの選び方などに関する講演や執筆、メディア出演など幅広く活躍中。延べ3000件超のマンションのモデルルームや現地を見学し、マンション市場の動向に詳しい。神戸大学工学部卒。岡山県倉敷市生まれ。

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出典元:マンションサプリ